コロナ沈殿払拭企画
 
月あかり・星あかり | 新絶景タイムスケイプ | 8K Timelapse moonlight
 
6. 撮影における留意点
 
1枚の写真とちがい 動画は動いていくことで「何らかの変化(オチ?)」があると印象深いです。

 ↑(富士山の山頂をギリ通過するカノープス)や↓(富士山右端で切れて昇る月)など、キワを攻めています。

 
星景動画(タイムラプス)にあたり「どんなシーン」とするか、あらかじめ想定してセットしています。星の動きだけでの画面展開では変化が乏しいので、何かのエッセンスを加えるようにしています。撮影した場所の特徴を踏まえて、どんなシーンが似合うか、いつ撮影すれば良いのか、季節や時間帯、月の状況など組み合わせは無限に広がります。

月の出や月の入りに伴う「月」そのものの姿のほか、照らし出される明るさの変化・月影の動きなどをシーンに収めています。この「月」の場合は、どの方向に・どのくらいの明るさで・どう変化するかを想定して設定しています。

このほか「天の川」や「星座」「惑星」や「明るい星雲星団」も画面に取り入れて星空の世界を表現しています。

その場所の臨場感を表現するとして 著名な風景はもとより池や湖などの水面や樹やランドマーク的に直立しているものも前景として取り入れています。


ところで、星空と地上との比率をどのくらいにするか?!
学生時から星景を写し始めた頃より少しずつ変わってきています。 20代まで星空がほとんどで、地上部は多くても1/4くらい下のほうにあるくらいでした。 ところが写真展などで多くの方の反応を伺うと、星空自体には大きな違いはなく (#夏は天の川・冬はオリオン座が多くなる傾向) 1/4の地上部だけ違う のでは 「どれも同じような写真」 に思われてしまうことがある と感じました。
その場所を伝えられるのにはどうすれば良いか・・・ より近景を生かした作品として たとえば超広角で画面全体で臨場感を表現したり アングルに工夫したり、現場に応じて柔軟にフレーミングをしています。結果的に地上部の比率の方が多くなる傾向になります。もちろん星空を主体として表現することもありますので、流れの中での多様性を考慮しています。

星景写真は、天体写真ではありません。地球上の場所から星空をみた情景を再現しているのです。
 
 

作品として創り出すにあたって忘れてはいけないのは、「だれに見せたいのか」である。
当方がこの前提として気をつけているのは「マニア向け」ではなく「自然に興味はあるものの、まだ星空を十分に知らない方」に月明かりや星あかりの世界を知ってもらいたい ことなのです。

マニア目線では、どうしてもピンポイントの技巧に偏りがちで、手法の多さや撮影装置に関心の眼が行く傾向にあるようです。純粋に星空の世界を鑑賞するよりも手段や手法が目的になってしまうことに危惧します。たとえばドリーの動きや過剰処理の画像をもとにしたものは確かに一見インパクトがありますが、一般目線での印象としてどうなのか・・・客観的に判断しないといけません。 バリエーションを増やすには小手先の動きではなく 星空自体の展開である ことは言うまでもありません。

※ドリー(スライダー)の設置次第では、スライドさせることが星空よりも手前のピントの合っていない草むらや手摺などに視点が行ってしまうので要注意です。特に黎明期の海外の作品に多く見られました。←マニア向けに こんなことできるんだぜ みたいな
 
その手法(スライダーなど)を使う必然性は? その場所で見上げる星空の特徴は? 常に自分に問いかけて、作品のクオリティ(質的&流れとして)を上げるために何をすべきかを考えて撮影しています。

 
星を見に行くことが好きなのでセット後は、 ぼーとしています。

撮影に対する心構えとして、
 失敗をしないこと 
 せっかくの星空を確実に残すこと

失敗のトラブルを少なくするには、どうすれば良いか
確実性としての想定を、氷点下2桁(マイナス10度以下)での操作と動作としています。
 寒冷期間は、概ね11月から4月中までの年間半分と長い。
 最近の電子機器も便利になっているが寒冷地(強風地)での確実性には微妙なところ
 スマホ前提の操作機器には懐疑的である。

限られた時間の中でいかに効率よくセットして始められるかも重要視している。
 ブレない土台(三脚)堅固な架台
 カメラや赤道儀もシンプルな設定としておくことが効率性につながる

絶対に欠かしてはいけない星の動きに直結する時間の厳守


 とは書くものの毎回ベストは得られず ピント バッテリー ほか各種の誤設定でボツ作も
 複数台を運用する時は、それぞれの時間経過に伴う星空の動き とカメラの画角とパンの方向と速度・・・
 脳内の処理能力が混沌とすることも #%&$

まず確実に2台をセットして +台数はオプションとして位置づけています。


 
あらためて整理しますと

@氷点下10℃での撮影を想定している。
  電池(バッテリー)→電圧降下
  電源コードの硬直化→切断の可能性大
  液晶画面の凍結→タッチパネル操作不能(指も)

 1台であれば対応可能でも 複数台あると・・・手が回らない(スマホでの操作も)
 →極力電気を使用しない機材環境に
  MFレンズ・露除懐炉は使い捨て #遠征時など3台×3晩使用を想定

A1シーン=1000コマを基本 @3時間ほど 
 内蔵電源で連続撮影可能機種
 1晩3シーンを想定して256や512GBのメディアを用意 
 
Bクオリティ向上 なめらかな動きとブレないため
 コマ間は極力少なく連写を基本
 三脚は大型で重心を低く
 
このほか、愛用の懐中電灯・単三と単四に統一した電源  
などです。





---あとづけ

SNSに類するFBやインスタなどは現在のところ避けている。
実のところこれらの更新?は、他の情報源よりもはるかにスピードが速い。
とはいえ雑多な情報量も多く取捨選択するのに時間を要して追い付かないのが現状ではないか。
時間に余裕があるときに・・・と思っているうちにあっという間に遠くのページに埋もれてしまう
そして気になるのが、特に新商品などの過度なアナウンスで、あやしさが先に立ってしまい、
むしろ一線を引きたくなる心境にもなる。

SNS各ジャンルでのインフルエンサーはメーカーとユーザーを繋ぐ、今では貴重な存在となっているようだ。
よりアピールできるよう動画も駆使して見せ方のスキルアップも向上している。
新商品についての情報を得るのに彼らの記載はとても有意義ではある。
一方でそれはあくまで一面からの見立てで、全方位的ではないことを理解したうえで読み解く必要がある。
ある程度知名度があがると業界内でのシガラミも同時に発生するのは自然なことである。


特にデジタル機器は新陳代謝が早く適度にチェックをしておかなければならない。
当方も「これ」と感じた新製品には手を出してしまう方である。
メーカー各社がより良い&より便利なものを企画開発し、売れることで世の中が成り立っている。
旧モデルが値崩れしないうちに更新するのが一手なのかもしれない。
自分もその時々の撮影シーンに合致した「良いモノ」を使うように情報収集して
撮影現場でプラスになればこの場でも紹介していきたい。


2023より下記サイトから外れました。
NHK BS8K を視聴ください。
新絶景タイムスケイプ



YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=gxFNl1_BXtg
 終盤にNHKのCMが入ります。(画面に重なり少々難)

ニコニコ動画
https://www.nicovideo.jp/watch/so36259607
 画質が一番良いです。ループ機能もあり ☆おすすめ

NHKサイト
https://www.nhk.or.jp/d-garage-mov/movie/157-16.html

 

月あかり・星あかり
1.各シーンの情景

2.撮影機材(カメラ・レンズ)の紹介
3.撮影機材(三脚・架台)の紹介
4.撮影機材(その他)の紹介
5.撮影機材(おまけ)の紹介
6. 撮影における留意点

 

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